身体には「動きの歴史」が残っている|40代男性・3ヶ月の記録から見る身体再構築

「腰がずっと重い」

そう感じているとき、気になるのは当然「腰」だと思います。

では、本当に見るべき場所は腰だけなのでしょうか。

今回ご紹介するのは、20代から腰の重さを感じていた40代男性のケースです。

経営者・編集者として仕事をしながら、サーフィンや柔術など、日常的に身体を動かしている方です。

身体の履歴をたどると、幼少期から股関節に動かしにくさがあり、2021年頃にはスノーボードで左足首を骨折。2025年には柔術で右肩を負傷していました。

2026年4月、Emerald Elephantで身体全体の動きを確認したところ、腰だけではなく、足首、股関節、骨盤、背骨、胸郭、肩甲骨など、それぞれの動き方や連動に特徴が見えてきました。

浅草橋のタイ古式整体 Emerald Elephantでは、タイ古式をベースに、気になる部分だけではなく、全身の動きや身体の使い方を確認しながら施術を組み立てています。

私たちが「身体再構築」と呼んでいるのは、単に身体を柔らかくすることではありません。

今回は、約3ヶ月間の実際の経過をもとに、その考え方をご紹介します。

40代男性の3ヶ月の記録から見る身体再構築|Emerald Elephant
目次

タイ古式をベースにした「身体再構築」とは

身体は、それぞれの部位が独立して動いているわけではありません。

立つ。歩く。しゃがむ。腕を上げる。身体をひねる。

こうした何気ない動きでも、足首、膝、股関節、骨盤、背骨、胸郭、肩甲骨など、さまざまな場所が関わっています。

その中のどこかが動きにくくなっても、身体は動作を止めるとは限りません。

別の場所で動きを補うことで、その動作を成立させることがあります。

そして、その状態が長く続けば、「代わりに頑張る動き」が本人にとって当たり前の身体の使い方になっていくこともあります。

だからEmerald Elephantでは、今気になっている場所だけではなく、次のような点を確認していきます。

  • これまでの怪我や身体の特徴
  • 立位やしゃがみ込みなどの全身動作
  • 左右差や重心の取り方
  • 身体のどこを使って動作を作っているのか

身体の歴史を読み、今の身体に必要な動きをもう一度組み立てていく。

これが、Emerald Elephantの考える「身体再構築」です。

今回のケース|身体の「履歴」をたどる

今回の男性には、現在の状態に至るまでに、いくつかの身体の履歴がありました。

40代男性の股関節・腰・左足首・右肩の身体の履歴

身体には、「動きの歴史」が残っている。

幼少期|股関節の動かしにくさ

彼には幼少期から、股関節をもともと動かしにくいと感じる時があったそうです。

長く付き合ってきた身体の特徴のため、ご本人にとってはそれが「普通」の状態でもあります。

20代〜|長く続いていた腰の重さ

20代頃から、腰の上あたりに硬さや重さを感じる状態が続いていました。

ここで重要なのは、「腰が重い=腰だけを見る」と決めつけないことです。

股関節や骨盤、背骨、さらに足元まで含めて、どのように動作を作っているのかを確認していきます。

2021年頃|左足首を骨折

スノーボードで左足首を骨折。

骨折自体は過去のものですが、初回評価時にも左足首には動かしにくさが見られました。

足首は、立つ・歩く・しゃがむといった動作で、地面と身体をつなぐ場所です。

そのため今回は、腰や股関節を見ると同時に、足元の動きも継続して確認しました。

2025年|柔術で右肩を負傷

さらに2025年に、柔術で右肩を負傷。

初回評価では、腕を上げる際に首をすくめるような動きや、左右の身体の使い方の違い、腕が頭の上まで上がりきらない、という特徴が見られました。

2026年4月|身体再構築をスタート

こうして並べてみると、

  • 股関節
  • 左足首
  • 右肩

は、それぞれ別の出来事です。

過去の怪我が現在の状態の原因だと、単純に結びつけることはできません。

だからこそ、これまでの身体の履歴を踏まえたうえで、「今、その身体がどう動いているのか」を実際の動作から確認していきました。

初回評価|「どこまで動くか」だけを見ない

身体再構築では、単純な柔軟性だけを見ているわけではありません。

大切なのは、その動きを身体のどこを使って作っているのか。

今回も、複数の動作を確認しました。

立位・しゃがみ込み・背骨の動きから確認する初回身体評価

「動けるか」だけを見ない。どこを使って、その動きを作っているか。

01 立つ|身体はどこで重力を受けているか

まず確認したのは、ただ立っている状態です。

横から見ると、頭部、胸郭、骨盤、膝、足首がどのような位置関係にあるのか、重心がどこに乗っているのかが見えてきます。

初回は重心がやや前方にあり、腰椎から骨盤にかけての動きにも硬さが見られました。

ここで見ているのは、「姿勢が良い・悪い」ということだけではありません。

身体のどこを使って、自分の体重を支えているのか。

それが大切なポイントです。

02 しゃがむ|足首から背骨まで、どうつながっているか

しゃがみ込みというと、「股関節が硬い」「足首が硬い」と、一部分だけに注目しがちです。

しかし実際には、

足首 → 膝 → 股関節 → 骨盤 → 背骨

と、身体のさまざまな場所が連動して動きます。

初回は前腿を多く使う傾向があり、深くしゃがむ際には重心が安定しにくい状態が見られました。

つまり、「しゃがめるかどうか」だけではなく、どうやってしゃがんでいるのかを見る必要があります。

03 背骨を動かす|キャット&カウから見えたこと

初回のキャット&カウでは、胸椎に比べて腰椎の動きが少なく、骨盤を後ろへ傾ける動きも十分には出ていませんでした。

腕で床を押す力も強く、背骨全体を滑らかに動かすというより、動かしやすい場所を使って動作を作る傾向が見られました。

「動ける・動けない」ではなく、「どこを使って、その動きを作っているのか」

ここを見ていくことが、身体再構築の大切なポイントです。

3ヶ月間の身体再構築|「緩める」だけで終わらせない

今回の身体再構築は、約3ヶ月間、段階を追って進めました。

一度の施術で全身を大きく変えようとするのではなく、その時点で身体の動きを確認しながら、少しずつ次の段階へ進めています。

STEP1|動きやすさを引き出す

最初に重点を置いたのは、足首、股関節、胸郭、肩甲骨などです。

特に過去に骨折した左足首には、初回評価時にも動かしにくさが見られました。

同時に胸郭や肩甲骨周辺にもアプローチし、腕や首だけに頼りすぎず、上半身を動かしやすくすることを目指しました。

STEP2|骨盤と背骨の動きをつなげる

次に見ていったのが、股関節、骨盤、背骨の関係です。

今回のケースでは、長く腰周辺に硬さを感じていたこともあり、背骨を動かした際に一部分に動きが集中しやすい傾向が見られました。

そこで、腰周辺だけを見るのではなく、股関節や骨盤、胸郭まで含めて身体を動かしながら、背骨全体を使う動作へつなげていきました。

STEP3|施術後の動きを、セルフケアにつなげる

施術後に身体の動きが変わっても、それだけで終わりではありません。

キャット&カウ、スクワット、回旋など、その時点の身体に合わせたセルフケアや身体操作も取り入れました。

今回の男性は、ご自身でもストレッチなどのセルフケアをほぼ毎日のように継続されていました。

ただし、毎日行うことが身体再構築の条件というわけではありません。

3ヶ月後|「立つ」はどう変わったのか

40代男性の初回と3ヶ月後の立位評価比較

まず見ていただきたいのが、立位の変化です。

写真だけを見ると、「姿勢が変わった」と感じるかもしれません。

しかし、身体再構築で見ているのは見た目だけではありません。

初回はやや前方に寄っていた重心が、3ヶ月の経過では踵側でも体重を受けやすくなり、頭部・胸郭・骨盤・足元の位置関係にも変化が見られました。

背中から腰にかけても、初期に見られた直線的なラインとは違った身体の使い方が見えてきました。

見るポイント:背筋が伸びたかどうかではなく、身体のどこで自分の体重を支えているか。

ただ立つ。

とても単純な動作ですが、だからこそ身体の使い方が表れます。

3ヶ月後|「しゃがむ」と、身体の連動がもっと見えてくる

40代男性の初回と3ヶ月後のしゃがみ込み評価比較

立位は、静止した身体。

しゃがみ込みは、そこから実際に動いた身体です。

初回は前腿を多く使いながらしゃがみ、膝が内を向く癖、深い位置では重心が安定しにくい状態が見られました。

3ヶ月後には、股関節を使って骨盤を下げ、お尻や裏腿でも自重を受けながらしゃがむ動きが見られるようになりました。

立っている姿勢だけが変わっても、それだけを身体再構築とは考えていません。

足首、膝、股関節、骨盤、背骨。

それぞれがどう協調して動いているのか。

サーフィンの低いスタンスや、柔術で重心を安定させる場面を考えても、「どれだけ柔らかいか」だけではなく、動きの中で身体をどう使っているかが重要になります。

3ヶ月後|背骨は「一本の棒」ではない

40代男性の初回と3ヶ月後の背骨・全身の動きの比較

もう一つ見ていただきたいのが、背骨の動きです。

初回は、背中の一部分を使って動きを作る傾向があり、特に腰椎と骨盤の連動には動きにくさが見られました。

経過とともに、骨盤の動きとともに腰椎・胸郭へ動きをつなげる様子にも変化が見られるようになりました。

3ヶ月後の評価では、初回とは異なる背骨全体のラインが確認できます。

背骨は一本の硬い棒ではありません。

だから、大きく曲がればいい、大きく反れればいいというわけでもありません。

一部分だけに動きを集中させず、全身がどうつながって動いているのかを見る。

身体再構築では、そこを大切にしています。

本人が感じた、3ヶ月間の身体の変化

写真や動作評価で確認できる変化だけではなく、ご本人自身にも身体の感覚の変化がありました。

「足裏が床に吸い付くような感覚」

立っているときの足元について、そう表現されていました。

「股関節が柔らかくなった」

柔術では、

「柔術のガードで足が回るようになった」

サーフィンでは、

「サーフィンでテイクオフした時の感覚が大きく変わった」

「テイクオフ時に足が前に滑り込みやすくなった」

上半身についても、

「首の詰まりが軽くなった」

といった感想がありました。

これらは、約3ヶ月の経過の中でご本人が実際に感じた変化です。

施術前後に確認した身体の変化が、立つ・動く・スポーツをするといった実際の身体活動の中で、本人がどう感じているのか。

そこも含めて経過を見ています。

※感じ方や身体の変化には個人差があります。

Before / Afterで見てほしいのは、「柔らかくなった」ことだけではない

ここまで3つのBefore / Afterをご紹介しました。

写真を見ると、

  • 姿勢が変わった
  • しゃがみ方が変わった
  • 背骨のラインが変わった

といった違いが最初に目に入ると思います。

でも、私たちが本当に見てほしいのはそこだけではありません。

身体は、一部分が動きにくくても、別の場所でその動きを補うことがあります。

そのため、見た目には同じように「できている」動作でも、身体のどこを使って動いているのかは人によって異なります。

たとえば、

  • 首を多く使う
  • 腰を多く使う
  • 前腿を多く使う

といった動きです。

だから見るのは、どれだけ動いたかではなく、その動きを「どこで、どう作っているのか」

一部分に偏りすぎない身体の使い方を目指しながら、全身の動きを少しずつ組み立て直していく。

それが、Emerald Elephantの考える「身体再構築」です。

施術だけでは、身体再構築は完成しない

今回、3ヶ月間の経過を考えるうえで欠かせなかったのが、セルフケアの継続でした。

今回の男性は、ストレッチなどのセルフケアをほぼ毎日のように続けていました。

もちろん、毎日行うことが身体再構築の条件というわけではありません。

生活スタイルや身体の状態に合わせて、無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。

今回の経過では、回数を重ねるにつれて、前回の施術後に確認した動きが、次回来店時の施術前にも維持されている場面が増えていきました。

左足首についても、最終回の施術前には、初回と比べて動かせる範囲に変化が見られました。

施術・セルフケア・日常やスポーツ・再評価を繰り返す身体再構築の流れ

身体再構築は、施術者が一方的に身体を整えるものではありません。

施術 × セルフケア × 日常での身体の使い方

この3つを重ねながら、身体の動きを繰り返し確認していきます。

3ヶ月で見えてきた変化と、その先へ

今回の3ヶ月で、立位、しゃがみ込み、背骨の動きなどには、さまざまな変化が見られました。

一方で、過去に骨折した左足首など、引き続き動きを確認していきたい部分も残っています。

日常生活や仕事、サーフィン、柔術などで身体を使えば、疲労したときに以前と似た身体の使い方が見られることもあります。

実際、3ヶ月後のしゃがみ込みでも、深い位置では重心がわずかに片側へ移動する傾向が残っていました。

一度の変化だけを見るのではなく、その動きが日常やスポーツの中でどう使われているかまで確認していく。

今回ご紹介した3ヶ月は、ひとつの経過地点です。

その後、ご本人の希望で身体再構築を継続されています。

現在は、これまで確認してきた全身の動きをベースに、残っている動きにくさにも取り組みながら、サーフィンや柔術など実際の動作も含めて身体を見ています。

身体の「今」だけでなく、「これまで」を見る

今回のスタート地点は、20代から長く感じてきた腰の重さでした。

でも、3ヶ月間見てきたのは腰だけではありません。

  • 股関節
  • 左足首
  • 骨盤
  • 背骨
  • 胸郭
  • 肩甲骨

そして、それまでどんな身体の使い方をしてきたのか。

身体には、その人が歩いてきた「動きの歴史」が残っています。

だから、今気になっている場所だけを見るのではなく、その身体がどんな道を通って現在に至ったのかを見る。

身体の歴史を読み、今の身体に必要な動きをもう一度組み立てていく。

それが、Emerald Elephantの「身体再構築」です。

浅草橋で身体の動きから考えるタイ古式整体|Emerald Elephant

浅草橋のタイ古式整体&スクール Emerald Elephantでは、タイ古式をベースに、身体の一部分だけではなく全身の動きや連動を確認しながら、一人ひとりの身体に合わせて施術を組み立てています。

こんな方におすすめ。

  • 同じ場所がいつも気になる
  • ストレッチをしても動かしにくさを感じる
  • 運動を続けながら身体をメンテナンスしたい
  • 自分の身体の使い方を一度きちんと見てほしい
  • 運動時にもっと身体を上手く使いこなしたい

まずは現在の身体の状態から一緒に確認していきましょう。

Emerald Elephant
東京都台東区浅草橋
JR浅草橋駅から徒歩約6分
完全予約制/1日3名限定


※本記事は、実際の一例をもとに身体の動きや施術経過をご紹介したものです。身体の状態や感じ方、施術前後の変化には個人差があります。特定の症状・疾患に対する治療や改善、同様の変化を保証するものではありません。

目次